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Print House Sessionは、4つの印刷所、4人のデザイナーがそれぞれチームを組み、1人のアーティストの作品のアートブックを作るというイベントです。2019年に開催された初回から、今回で2回目の開催です。

奥山由之さんの「Windows」を題材に、4人のデザイナーそれぞれの解釈を4つの印刷所の技術をもって形にします。赤々舎から既刊の「Windows」を既に持ってる人にもまだ触ってない人にも、全ての人に斬新な形の切り口がそこにあります。

会場では各300部の限定部数で販売があります。同時にアートブックフェアが開催され、注目のフォトグラファーや出版社のブースが軒を連ねます。写真と印刷と本の2日間のお祭りをぜひご堪能ください。






奥山由之 「Windows」
http://www.akaaka.com/publishing/Yoshiyuki-Okuyama-windows.html




















奥山さんメッセージ






この度は、Print House Sessionにお声がけ頂き、ありがとうございます。

『windows』は、2020年4月から2022年11月の2年半に渡って、東京都内の不透明な窓ガラス約10万枚を撮影したシリーズです。不透明な窓ガラス越しに抽象化された物の数々は、色や形の境界が溶け合い、曖昧模糊とした模様になって、そこに息づく人々の表情を映し出しているように感じられました。(コロナ禍によって、誰しも屋内で生活する時間が増えたことも影響しているのかもしれません)
つまり、物理的には不透明な窓ガラスを撮影したシリーズではありますが、あくまで窓を通して”東京の人々”を描きたいと考え制作した作品になります。

今作においては、“撮る”という行為そのものによって何かを表現しようとする作為性から徹底的に距離を置いていて、いかに機械的に撮り”集める”か、その上でどの写真を選ぶのか、どのように構成するのか、という”選択”こそが撮影行為と同義であるという意識を持って制作しました。
僕は、作品を通して思想や思考を社会に提示する上で、シャッターを押すという行為以上に、セレクトやレイアウト、プレゼンテーションにおける取捨選択といった編集行為にこそ多大な重要性を感じています。
なので、写真集『windows』では編集の行程に半年以上を費やし、またその膨大な時間を通して作品への理解を深めていきましたし、構想から発表まで何年間も費やした大変思い入れの強い作品ですので、赤々舎より出版させて頂いた写真集、またamanaTIGPにおける展覧会によって、僕の中では一旦完成を迎えたとも言えます。

ただ、Print House Sessionにお声がけ頂いた際、自分の作為を一切排して、あらゆる意図から切り離された、つまりどなたかに全ての行程をお任せして制作された『windows』のZINEであれば、今一度見てみたいと思いましたし、あまりに長い期間この作品に向き合い続けていたからこそ、自分自身ではまだ知り得ない作品の新たな側面、客観的な視点を得た上での魅力を目の当たりに出来るのではないかという期待も込めて、信頼するアートディレクターの皆さま、印刷所の皆さまに作品を託してみようと思いました。
なので、僕のまだ知らない『windows』に出会い直せることを、大変楽しみにしております。



奥山由之
















Print House Sessionは写真集専門書店のflotsam booksと写真集出版のroshin booksが企画、運営しています。これまで写真集飲み会、Photobook JPなど数々のフォトブックフェアを開催してきています。

flotsam books
https://www.flotsambooks.com/

roshin books
https://roshinbooks.com/